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薬局のLINEは「配信」しなくても成果が出る。薬局に必要なのは情報発信よりも患者との接点づくり
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「LINE公式アカウントを導入したものの、何を配信すればいいかわからない」
薬局のLINE構築・運用について相談を受ける中で、こうした悩みを耳にすることがあります。
LINEを導入した以上、定期的に健康情報を発信したり、イベントを告知したり、何かしらのメッセージを配信し続けなければならない。そう考えている薬局も少なくありません。
しかし、私は薬局のLINEは、必ずしも定期的に配信する必要はないと考えています。
なぜなら、薬局のLINEにおける本来の目的は、情報を届けることではなく、患者さんに薬局を利用してもらうことだからです。
今回は、薬局におけるLINE配信の考え方と、成果につながる運用方法について整理していきます。
そもそも患者さんは薬局のLINEに何を求めているのか?
患者さんが薬局のLINEを友だち追加する理由を考えてみてください。
もちろん、健康情報を受け取りたいという方もいるでしょう。しかし、多くの患者さんにとって、それ以上に分かりやすいメリットがあります。
「処方箋を事前に送って待ち時間を減らしたい」
「薬の準備ができたら知らせてほしい」
「薬について気になることがあったときに相談したい」
「薬局の営業時間や休業日を確認したい」
こうした、薬局を利用する際のちょっとした不便を解消できることです。
つまり、薬局のLINEは情報発信の媒体である以前に、患者さんが必要なときに利用できる窓口としての役割が大きいと考えています。
極端な話、1年間ほとんど全体配信をしていなかったとしても、毎月多くの患者さんがLINEから処方箋を送信し、繰り返し利用してくれているのであれば、そのLINEは十分に機能していると言えるのではないでしょうか。
反対に、毎週配信を行い、友だち数が増え続けていても、処方箋送信などの利用がほとんどなければ、薬局にとって十分な成果が出ているとは言いにくいはずです。
大切なのは「何通配信したか」ではなく、「どれだけ利用してもらえたか」です。
全体配信が効果的なタイミングは確かにある
では、薬局は全体配信を一切しなくてよいのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
私自身、全体配信が効果的だと考えているタイミングがあります。
① 年末年始やゴールデンウィークなど、長期休暇の前
まずは長期休暇の前です。
年末年始やゴールデンウィーク、お盆などは、患者さんにとって薬局の営業状況が気になるタイミングです。
「いつまで営業しているのか」
「連休中は営業しているのか」
「休み明けはいつから処方箋を受け付けてもらえるのか」
こうした情報は、普段その薬局を利用している患者さんに広く関係するため、全体配信との相性がよい内容です。
単に休業日をお知らせするだけでなく、連休前の処方箋受付について案内したり、LINEで処方箋を事前に送信できることを改めて伝えたりする機会にもなります。
患者さんにとって必要な情報でありながら、LINEの便利な使い方を思い出してもらうきっかけにもなるわけです。
② 開局記念日や周年のタイミング
もう一つおすすめしているのが、開局記念日などの節目です。
例えば、開局5周年を迎えた薬局であれば、これまで利用してくださった患者さんへの感謝を伝える配信が考えられます。
日頃のお礼とともに、薬局として大切にしていることや、今後どのようなサービスを提供していきたいのかを伝えてもよいでしょう。
そして、こうしたタイミングはGoogleの口コミ投稿をお願いする機会としても活用できます。
普段、何の前触れもなく口コミのお願いだけを配信すると、患者さんにとっては唐突に感じられるかもしれません。
一方で、開局記念日に日頃の感謝を伝え、その流れで「今後の薬局運営の参考にするため、実際にご利用いただいた感想をお寄せいただけるとうれしいです」とお願いするのであれば、自然なコミュニケーションになります。
ただし、口コミの依頼にあたっては、Googleのポリシーに沿った運用が必要です。高評価だけを求めたり、口コミ投稿の見返りとして特典を提供したりすることは避け、実際の利用経験に基づいた率直な感想をお願いしましょう。
このように、患者さんにとって意味のあるタイミングであれば、全体配信は有効な手段になります。
重要なのは、定期的に配信することではなく、配信する理由があるかどうかです。
むやみな配信は、かえって患者さんとの接点を失うことにつながる
ここで注意したいのが、配信頻度とブロックの関係です。
LINE公式アカウントは、友だち追加してもらったからといって、すべての患者さんが継続的な情報配信を希望しているとは限りません。
特に薬局の場合、処方箋を送るために友だち追加した患者さんも多くいます。
その方に対して、毎週のように健康コラムやキャンペーン情報が届いたらどうでしょうか。
興味のある内容であれば問題ありませんが、自分に必要のない情報が繰り返し届けば、煩わしく感じる方もいるはずです。
結果として、ブロックにつながる可能性があります。
ブロックされてしまえば、薬局から必要な情報を届けることも難しくなります。
本来、患者さんとの接点を増やすために導入したLINEが、配信によって接点を失う原因になってしまうのです。
もちろん、配信回数が多いこと自体が悪いわけではありません。
問題は、その情報を必要としていない患者さんにまで、一律に届けてしまうことです。
だからこそ、全体配信は必要性の高いものに絞り、それ以外は届ける相手を考える必要があります。
利用を増やすための配信こそ「絞り込み」を活用する
ここまで全体配信についてお話ししましたが、処方箋送信など、具体的な利用を増やすための配信はどうすればよいのでしょうか。
そこで活用したいのが「絞り込み配信」です。
例えば、LINEからの処方箋送信を増やしたいとします。
すでに何度も処方箋を送ってくれている患者さんに、毎回「LINEから処方箋が送れます」と案内しても、それほど大きな効果は期待できないでしょう。
一方、友だち追加はしているものの、まだ処方箋送信を利用したことがない患者さんには、その便利さを伝える価値があります。
また、オンライン服薬指導の利用を増やしたいのであれば、過去にオンライン服薬指導の案内をタップした方や、サービスに関心を示した方に絞って案内する方が合理的です。
つまり、増やしたいコンバージョン(CV)に合わせて、誰に、何を、どのタイミングで届けるのかを考えるということです。
LINE公式アカウントには標準の絞り込み配信機能もありますが、Lステップやエルメなどの拡張ツールを活用すれば、設定内容に応じてタップ履歴や回答内容などを使った、より細かな配信設計も可能になります。
ただし、薬局の場合は患者さんの健康情報を扱うこともあるため、利用目的や本人同意、個人情報の管理には十分な配慮が必要です。
大切なのは、機能があるから使うのではなく、目的に合わせて必要な仕組みを設計することです。
全員に同じメッセージを送るのではなく、必要としている人に、必要な情報を届ける。
その方が患者さんにとっても有益ですし、薬局としても無駄な配信を減らしながら、利用につながる可能性を高められます。
配信したら終わりではない。成果を計測できる設計が重要
ここで、もう一つ重要になるのが計測です。
例えば、処方箋送信の利用促進メッセージを配信したとします。
配信人数が500人で、リンクのクリック数が50件だったとしましょう。
一見すると、一定の反応が得られたように感じます。
しかし、最も重要なのは、その50件のクリックから実際に何件の処方箋送信につながったのか、ということです。
クリックしただけで送信せずに離脱しているのであれば、メッセージ内容ではなく、送信画面の使いにくさに問題があるのかもしれません。
反対に、クリックした患者さんの多くが処方箋を送信しているのであれば、今度は配信対象や案内の内容を改善することで、さらに利用数を増やせる可能性があります。
拡張ツールなどを活用して計測の仕組みを設計しておけば、配信後のリンクタップやメニュー操作など、患者さんの行動を段階的に把握できます。実際の処方箋受付数や再利用状況と組み合わせれば、より正確に成果を評価することもできます。
ここで大切なのは、単にクリック数を計測することではありません。
最終的な利用につながるまでの流れを把握し、どこを改善すべきか判断できる状態にすることです。
この考え方については、前回のコラム「薬局のLINE活用は『ファネル設計』で決まる|処方箋送信を増やす3ステップの設計と計測法」で詳しく解説しています。
前回は処方箋送信をゴールとして、「登録 → メニュータップ → 送付」という3つのステップに分解しました。
今回お伝えしている絞り込み配信も、基本的には同じ考え方です。
患者さんがゴールに至るまでのどの段階にいるのかを把握し、その段階に必要な働きかけを行う。
配信はそのための手段の一つにすぎません。
薬局LINEの成功は「友だち数」でも「配信数」でもない
薬局のLINE運用で、最終的に何を成果とするべきでしょうか。
私は、LINEを通じた薬局サービスの実際の利用が増えることだと考えています。
処方箋送信を目的としているのであれば、見るべきなのは処方箋送信数やリピート利用率です。
オンライン服薬指導の利用を増やしたいのであれば、実際の予約数や利用件数です。
お薬相談を充実させたいのであれば、相談機能がどの程度活用され、患者さんの困りごとの解決につながっているかを見ていく必要があります。
友だち数やメッセージの開封率も、運用を改善するための指標としては重要です。
しかし、それらの数字を増やすこと自体が目的になってしまっては、本末転倒です。
友だちが1,000人いて、毎週情報を配信している薬局。
友だちは500人でも、毎月多くの患者さんがLINEで処方箋を送り、次回も繰り返し使ってくれる薬局。
どちらのLINEが薬局経営に貢献しているかは、単純な友だち数や配信数だけでは判断できません。
私は、患者さんに実際に利用されているかどうかを重視すべきだと考えています。
まとめ:薬局のLINEは「発信する場所」から「利用してもらう場所」へ
薬局のLINE公式アカウントを導入すると、つい「次は何を配信しようか」と考えてしまいがちです。
しかし、まず考えるべきなのは配信内容ではありません。
患者さんにどのような場面でLINEを使ってもらいたいのか。
そのために、どのような導線や仕組みが必要なのか。
そして、その利用が実際に増えているのか。
この3つを考えることが、薬局LINEの運用では重要です。
全体配信は、長期休暇のお知らせや開局記念日など、患者さん全体に伝える意味のあるタイミングで活用する。
特定のサービスの利用を促進したいときには、対象者を絞って必要な情報を届ける。
そして、配信後はクリック数だけでなく、実際の利用につながったかを計測する。
何よりも、日頃から患者さんが必要なときに迷わず使えるLINEになっていることが大切です。
「どれだけ配信したか」ではなく、「どれだけ使ってもらえたか」。
薬局のLINE運用は、この視点を持つだけでも大きく変わるのではないでしょうか。
薬局LINEの運用、一緒に見直してみませんか?
薬局マーケ支援隊では、薬剤師・薬局経営者としての現場経験を活かし、LINE公式アカウントの構築から配信設計、効果測定、運用改善まで支援しています。
「LINEは導入しているけれど、実際の利用が増えない」
「どのような配信を行えばよいかわからない」
「拡張ツールを使って、利用状況を分析できるようにしたい」
そんな場合は、まず今のLINEがどのように使われているのかを整理するところから始めてみませんか。
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